想いの一方通行
「あの、高橋くんって、自転車通学ですか?
それとも電車ですか?」
急になんの話題を振ってんのよ私は。
「俺?俺は電車だよ。
〇〇駅。下りなんだ。
鈴木さんは?」
な、名前知ってくれてた!?
嬉しい嬉しい!
「私も、電車で〇〇駅!上りだけど」
「上りなのかー
あ、ってか俺のこと知ってんだ?」
「あ、なんかすみません。
気持ち悪いですよね
友達の彼氏が高橋くんの友達で、
それ経由で…」
「あ!いやいや!
むしろ鈴木さんのこと認識してるの
俺だけだと思ってたから…
あいつの彼女の友達だったんだな」
に、認識してくれていたのですか!?!?
2人でノロノロ歩きながらモップをかける。
ずっとモップなんて
かけ終わらなきゃいいのになー。