想いの一方通行

颯斗side

「だ、抱きしめていいですか。」

アホなことを言ってるのは承知なんだけど

その、嬉しいじゃん?

だって振られる覚悟だったんだぞ?

その、な?うん。

ただ、ギュッとしたいんです。

「へ!?んぉ?…あ、うん。」

返事大変なことになってるけど

うんって言ったよな…?

「し、失礼します。」

鈴木さんは大きいとはいえ、

それは女子の中であって

男の俺よりは小さい。

強ばってたけど、腕を回してくれた。

「やっぱり、高橋くんは安心する」

「ありがと。」
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