恋愛失調症

わたしの呼吸はずいぶん乱れているのに誠はまだ平然としている

「ごめんね、こんなに走らせちゃって。...なずなちゃんとセックスしたら今の呼吸みたいになるのかな、なんて考えちゃったりして」

「なんでそんなこというの？」

男はみんな頭の中は同じなのかな、と思ってしまう

「ちょっと言ってみただけ。誤解しないで。僕には彼女とか好きなひとがいないけど、なずなちゃんにはそんなことしないよ」

「え？」

「もっともどうしても僕とやりたいなら仕方ないけど？」

「...べつに構わないけど」

「え？」

今度は誠が拍子抜けした声を出した

「知らないの？まさのりとどうやって出会ったか、」

「知らないよ、聞きたいけど聞きたくない」