恋愛失調症




誠はそういって傘をわたしに預けた

私が足を止めたところはシャッターが閉まった店の前だった


雨足は変わらない

このままわたしだけ傘を差しても誠は濡れて帰ってしまう

「待って………」

わたしは立ち去りそうな誠を呼び止める


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