恋愛失調症
『もしもし?』
何度目かのコールのあといつものまさのりの声が聞こえた
「あの、なずなです。今大丈夫ですか?」
『どうしたの?今、仕事終わったところだよ』
「あの、訊きたいことがあるんですけど」
わたしは確かめたくて仕方なかった
「まさのりさんってフィアンセいますよね?」
『…なに、急に。』
「今日、さっき誠くんにキスされてまさのりさんにはフィアンセがいるって…」
言ってることがめちゃくちゃなのは分かっている
『へぇ、俺がいない間にそんなこと学校でしてたんだ?あいつもやるなあ…』
「学校じゃなくて帰り道、シャッター商店街でしたの。そんなことより、ホントに」
『フィアンセはいないよ、正確には随分前に別れちゃったんだ。…それよりなずなちゃん俺以外の男とキスするなんてあり得ないよ』
「それは………」
言葉に詰まってしまって思わず電話を切ってしまった