オオカミスイッチ 【完結】
11.
「弦? 入るわよ」
部屋に入ると、弦が髪の毛をクシャクシャっと
かきながら、ソファに力を落として座っていた。
「何?どうしたの?あんたまさかっ」
「・・逃げられちゃった」
「クズっ」
「ち、違っ」
「女性を本気で落とそうとするなんて
あんたらしくないじゃない。
珍しいこともあるのねぇ」
「うるさい」
「・・本気なんだ」
「そうみたい。
参った・・」