オオカミスイッチ 【完結】
「俺の部屋の合鍵。
 俺とリオしか持ってないから」

『蒼井先輩・・』

「いつでも来ていいから。
 勝手に来て
 勝手に寝て
 勝手に休んでっていいから」

『でも・・』

「そうして欲しいんだ」

私はその鍵を、ぎゅっと握りしめた。


「じゃ、行くね。バイバイ」

蒼井先輩は運転席の窓を閉め、
車を発進させた。
小さくなる車を見送りながら
蒼井 弦の波に
深く深くのみこまれていく自分に、
気づいた。
< 298 / 386 >

この作品をシェア

pagetop