夫の優しさ、夫の強さ


今、思い出してみると、いつも私を優先してくれていた正志さんは、自分の気持ちやこうしたいという意志は、なかったのだろうか。

私中心の生活、彼は、満足していたのだろうか。

本当に私を好きだったのだろうか。

まだ、元の彼女に気持ちが残っていたから、彼女を見捨てておけず、抱いてしまったのでは。

今回の離婚も、彼自身の気持ちを見せなかった。

正志さんが『離婚したくない』と言ったら、私は、どうしただろう。

でも、残念ながら、彼からその言葉は、なかったのだ。



きっと、正志さんは、元の彼女と結婚するだろう。

優しい人だから、彼女のことをそのままにしては置かないだろうなあ。

私との結婚は、意味があったのだろうか?

私は、女性として見てもらえていたのだろうか?

今となっては、その答えは返ってはこない。
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