夫の優しさ、夫の強さ
仕事を始めました


離婚から、半年が過ぎた。

部屋に引きこもりがちな私を心配して、母が、

「紗耶香、何か習い事をしてみては、どうかしら?」

「そうね、考えてみる。」

と答えておいた。


まだ、前に進めずにいる。

自分でもそれではだめだとわかっているけれども、気力がない。



そんな時、父から、

「父さんの友人が、ホテルの支配人をしているのだが、英語が話せるフロントをさがしている。紗耶香、やらないか?」

「そうね、新しい環境もいいかもね。」

母もそう言うから、私はやってみることにした。

もともと、父の会社で受付をやっていたから、同じような仕事ならと思ったのだ。


一歩、踏み出すまでにこんなに時間がかかるなんて、自分自身がびっくりだ。

知らないうちに、正志さんに依存していたのかもしれない。
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