夫の優しさ、夫の強さ
二つのアプローチがありました。
翌朝、支配人室へ呼び出された。
私、何かやらかしたかな?
ちょっと心配になりながら、ドアをノックした。
「どうぞ。」
中から、支配人の声がした。
私がドアを開いて入ると、ソファーには、支配人と芳賀様が向かい合って座っている。
「大西さん、こちらに座って。」
と支配人が、隣の1人がけの椅子を示した。
「失礼します。」
と私は、促されるままに座った。
「実はね、芳賀さんからお話があって、是非大西さんをニューヨークのホテルに短期研修にというんだが。」
「えっ、」
私は、支配人と芳賀様の顔を交互に見てしまった。
「芳賀さんは、ニューヨークのグランドシティホテルの支配人なんだ。」
と言う支配人に追加するように、芳賀様は、
「このところ、頻繁に行ききしていたのは、大西さんの仕事ぶりを見せてもらうためだったんです。日本人の自然な気配りが、とても気に入りました。ぜひ、ニューヨークでもその対応を見せてもらいたい。」