夫の優しさ、夫の強さ
「紗耶香?紹介して。」
誤魔化すなんて、もう無理と、仕方なく二人を引き合わせた。
「ええと、芳賀さん、紹介します。山岡正志さん。今夜は、このホテルに宿泊なされていますお客様です。そして、こちらが、当ホテルの支配人の芳賀さんです。」
「こんばんは。紗耶香がいつもお世話になっています。元夫の山岡です。」
「こちらこそ。支配人の芳賀です。」
二人とも、初対面のはずなのに、以前から知っているような雰囲気がある。
しかし、お互いに交わす視線は、緊張感が半端ない
その場は、挨拶だけで済んだ。