夫の優しさ、夫の強さ
明日、康人さんと会うことなった。
夕食を終えて、部屋に戻った。
母は、
「大丈夫よ。どんな結果になっても、彼を信じてあげよう。二人の気持ちは、通じるはずよ。」
「お母さん、ありがとう。彼を信じる。」
私は、彼と、彼に愛されている自分を信じることにした。
次の日、ロビーで待ち合わせていた。
母と私が行くと、康人さんとご両親、そして、外国人の女性が同席していた。
お父さんが、
「康人、紗耶香さんだ。
紗耶香さん、こちらは、康人の世話をしてくれた、ジェニファー・フロートさんだ。」
『紗耶香です。ジェニファーさんありがとうございました。康人さんが、お世話になりました。』
『いえ、私の方が助けてもらいました。お世話をするのは、当然です。』
まず、ジェニファーさんにお礼を言うことで、私と康人さんの関係をはっきりと示した。
「康人さん」
私は、康人さんの目をまっすぐに見つめた。
「さ、や、か?」
「そう、紗耶香。わかる?」
康人さんは、自分の額に手を当てて、考えている。
何かを思い出そうとしているかのように。