夫の優しさ、夫の強さ
食事を終えて、康人さんたちは、自宅へ帰って行った。

ジェニファーさんは、客人として、康人さんの自宅に滞在しているそうだ。

いつまでいるつもりだろうかと、不安に思ってしまう。

でも、ご両親だって、息子の面倒を一年もみてくれたジェニファーさんを、粗末にはあつかえないのだろう。

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食事を終えて、康人さんたちは、自宅へ帰って行った。

ジェニファーさんは、客人として、康人さんの家に滞在しているようだ。

いつまでいるつもりだろうかと、ちょっと不安に思ってしまう。

でも、ご両親だって、息子の面倒をみてくれていたジェニファーを粗末には、扱えないのだろう。


部屋に戻って、母が、

「康人さんって、すてきね。そして強い人よね。」

「強い?」

「そう、記憶がないのだから、不安でしかたがないはずなのに、自分の立場をきちんと見極めて、凄いと思うよ。自分と言うものを確立できている強い人。母さん、そう思うわ。」

「そうね、優しい彼しか見ていなかった。これから、強い彼を見ていけるのね。」

「そうよ、紗耶香、康人さんを決して放してはだめよ。ジェニファーさんに取られないように、頑張って。」

母も、ジェニファーさんの気持ちに気がついていたのか。

明日から、私の全てを賭けて、本当の康人さんを取り戻さなければと、決意した。
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