満月の下、蘇る

〜綺羅side〜






俺達はあの教室での事件(?)のあと屋上に来た。








もちろん授業をサボるため。










俺達はアメリカの有名大学を2人共首席で卒業したから勉強する必要がないんだ。











じゃあ、なんで高校に通ってるのかって?












・・・・・・なんでだろ?自分でもよく分かんねえや。










それより、、、









「「疲れた〜」」









・・・・・・・・・・・・










「・・・ぷっあははは!

ほんと俺らって気が合うな!」










櫂「見事にピッタリだったな〜

流石俺達!(笑)」









「ほんとだね〜(笑)

あー面白い」









櫂「・・・それより、やっちまったな〜」











「だね〜。やりすぎたね〜」









櫂「めんどい事にならなければいいけどな〜」










「残念ながら、教室を出た時グレーが見えたからそれは避けられないね〜。

グレーは面倒事に巻き込まれる予兆だからね〜」











櫂「うぇ〜まじかよ〜」









あ、話についていけない?こりゃ失敬。









じゃあ、簡単に説明しますよ。









まあ、単刀直入に言えば私たちは他の人にはない“特殊能力”をもっている。











私は未来が色となって見える。










悲しい事が起こる時は青と水色

嬉しい事が起こる時は黄色と薄いピンク

不幸な事が起こる時は紫と黒

危険な事が起こる時は黄色と黒

闘争が起こる時は赤と白










他にもあるけど軸になってるのはこの辺かな












色は2色で見える事がほとんどなんだけど、グレーだけは単色なんだ。











何故かは知らないけど(笑)













あ、因みに櫂の“特殊能力”は人の心の声を聞くこと。










相手の目を見ると心の声が聞こえてくるんだとさ。












「あーそう言えば櫂は?誰かの心読まなかったわけ?」












櫂「聞いた〜。

えっとね、俺に殴りかかってきた人が『月華』の幹部で、引き止めた方が副総長だった。

副総長、すんげえ俺達に興味津々だったよ」












「ありゃ。興味もたれちゃったのかよ。

それより、未だに私の心の声は聞こえないの?」











櫂「ああ。何でだろうな〜

お前の心だけ聞こえない」









「そりゃ有難いわ(笑)」













櫂「・・・・・・この力が宿ってからもう11年近く立つんだな・・・」











そう言って櫂は雲一つない真っ青な空を見上げた












その横顔はとても寂しそうだった











「・・・・・・櫂。これからもずっと私の側にいてよね」











櫂「・・・ふっ。当たり前だろ。

・・・・・・お前も離れたりすんなよ」












「・・・ふふ。

・・・じゃあ、私寝るわ。おやすみ」













櫂「あー、お前が寝るなら俺も寝る。おやすみ」












そういい2人は眠りに落ちた。












2人は手を繋いでいた。まるで、お互いの存在が消えるのを恐れているかのように。











2人が寝てから暫くして屋上にある2人の男がやってきた。










ル「綺羅・・・櫂・・・」












ウィ「・・・俺達は何も出来ない・・・。

こいつらを・・・救えない・・・」










ル「・・・なんで綺羅と櫂なんだろうな。

綺羅も櫂もまだ高校生なのに・・・」










ウィ「・・・・・・今は、2人に光を与えてくれる人が現れるのを待つしかない・・・。」













ルトとウィルソンは2人にそっと毛布をかけて屋上から立ち去っていった。












彼らの言葉の真意は何なのか。











彼女らの秘密は何なのか。












・・・・・・・・謎が解ける日はくるのだろうか──


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