イケメンなんか大嫌い
日曜日は晴れて、12月に入り寒さは増してきたものの、絶好のデート日和だった。
指定のあった時刻は昼過ぎで、夕方や夜に楽しめるスポットへ連れて行ってくれるのだろうかと期待が高まる。
待ち合わせ場所の駅前のコンビニへ到着し、そっとガラス窓から中を伺う。
既に到着している俊弥が雑誌から顔を上げ、ドアを出て来た。
「おはよ」
「……おはよう」
たった1週間ぶりなのに、久しぶりに思えるその顔は、穏やかな微笑みを見せてくれた。
笑顔なのだけれど、冷静さも感じられるような表情だと思った。
ライダースジャケットの襟元からパーカーのフードを覗かせて、ジーンズと合わせている。
やっぱり様になっていて、意図せずかっこいいなと過ぎらせてしまった自分が何やら悔しく、唇を結んだ。
わたしはというと、何を着るか散々悩んだ末に、ゆるいシルエットのタートルネックニットにタイトスカートを合わせてみた。
何処へ行くかわからないのに動きにくいかとも考えたけれど、これまでのデートで着てきたような花柄やプリーツのスカートは甘過ぎる気がして照れくさく、着られなかった。