イケメンなんか大嫌い
熱い意志を感じさせる眼差しと口調に、咄嗟に反論を喉の奥へ飲み込んでしまう。
頬を膨らせ少し躊躇う素振りを見せつつも、差し出された手を取ってしまった。
見る間に引っ張られ、視界が振れたと思った次の瞬間には俊弥の胸の中へと誘われた。
後頭部に掌の感触を確認し、硬直したわたしの顔は熱く息苦しい。
鼓動の音が胸に触れた耳に響き、次第に速くなった。
俊弥もドキドキしてるの……?
弾みで右脚は折り畳まれたまま、膝が俊弥の太股に触れている。
タイトスカートは動きが取りづらく、姿勢を保ったまま数分が経過したように感じた。
冷たい指先が耳元を擽り、反射的に目線を上げると端正な眼差しと目が合ってしまった。
その視線はやっぱりずるいと、逸らせないまま脳裏を過ぎらせている隙に、アップの顔が更に大きく視界を埋め尽くす。
「……これ、可愛いじゃん」
「えっ……」
「今までより色っぽくて、そそる」
今頃になって初めて、服装についてのコメントが出された。
タイトスカートの太股を骨張った手にそっと撫で上げられて、ぞくりと肩が跳ね目を瞑った。