イケメンなんか大嫌い
か細い声をやっとのことで絞り出すと、俊弥は疑問を滲ませ聞き取りを始めた。
『電気? 全部点かないの?』
「……そういえば玄関は、さっき点いた……」
『ブレーカーは?』
「……見てみる」
立ち上がりスマートフォンのライトをかざして探っている間に、追求が胸に浮かんで来た。
女の子食いまくってたって、本当?
しかし問い質すのは今のタイミングではないと心で言い訳をして、口に出せないままに照らし出されたブレーカーをまじまじと仰いだが、上がっている形跡はない。
「……何ともない」
『電球が切れたんじゃないの?』
部屋の中へ戻り、大きめのボール電球ひとつのペンダントライトを見上げ、眉根を寄せた。
「換えがない……なんか丸くて大きい電球使ってるんだよね、これ……」
『とりあえず違う電球でも使えるだろ? 今から買って行ってやるから、待ってな』
矢継ぎ早に告げられ通話が切れたが、来てくれることにひとまず安堵し息をついた。