イケメンなんか大嫌い
「もしもし、ナベくん!?」
『香坂? どうした』
ひとまず電話に出てくれたことに、胸を撫で下ろした。
ナベくんは高校も同じだったので、連絡先を知っていた。
「いきなりごめん。同窓会の時、俊弥の部屋で飲むとか言ってたよね? もう行ったの?」
『行ってねぇよ、まだあれから1ヶ月くらいだろ?』
頼みの綱が切れた……。
一瞬放心したが、堪えて言葉を絞り出した。
「……連絡、取れなくて……今から会って、話したいの……」
ナベくんはしばし考え込んだ後、口を開いた。
『……確か、北公園の裏のネオメゾンって言ってなかったか? その辺の住所で検索すれば、賃貸情報出て来るんじゃねぇの。外観がわかれば特定出来んだろ』
「……そっか……。ありがとう、ナベくん」
通話を切ると即座に検索を掛け、建物の外観の写真を見つけることが出来た。
コートを掴み、ドアの外へと踏み出す。