イケメンなんか大嫌い
先を急ぐように、次第に足は小走りになる。
どうして突然、こんなに息を切らして走っているんだろう。
そこで初めて、考えるに至った。
夜空を仰ぐと、オリオン座が輝きを放っている。
──結局傷付くことが、許してもらえないことが怖くて、あれこれと理由を付けて、連絡して来なかった自分を思った。
傷付いても良い、わたしがどうなっても構わない。
そんなことより、俊弥が、存在が大切なんだよって、伝えたい。
途中、商店街のケーキ屋に寄ってみたが、当然ながら既に店を閉めた後だった。
せめてもの気持ちとして、コンビニに入りケーキを順に眺め、肩で息をしながら想いを馳せていた。
俊弥はわたしの反応なんか関係なく向かって来てくれた。
強引ではあったけれど、最後の判断はわたしに委ねてくれた。
『本当に嫌なの?』
それが、俊弥の愛だったのかな……。
今度はわたしが、ストーカーして良いかな。俊弥……。
息を整えながら、ケーキが崩れないよう残りの道は歩いて向かった。
北公園の裏まで辿り着き、写真と建物を照らし合わせながら見つめる。
「……あっ……此処だ……」