イケメンなんか大嫌い
半透明の思惑
部屋に入りコートをハンガーに掛けると、ベッドに横たわった。
はああぁと、盛大な溜息を吐く。
まだ心臓がドキドキと鳴っているようで、そんな自分に対して気が滅入り、顔を手で覆った。
そのままスマートフォンの画面を開き、アプリに加えられた俊弥の欄を見つめた。
名前の隣のアイコンに映るものは何だろうかと、タップして拡大された写真をぼんやりと眺めた。
……サッカースタジアムのような……観に行ったのだろうか。
まだサッカーが好きなんだな……そこまで考えて、今の俊弥について何も知らないことに気付いた。
自分の思考に驚いて、慌てて首を振る。
知る必要なんかないじゃん。
一覧をスクロールしていると、賢司くんの名前が目に入る。
あれから連絡を取っていない。もう4日、こんなに連絡が途絶えたのは付き合って以来初めてのことだった。
その間に他の男と食事に行くとか……冷静になって来ると、わたしは相当酷い彼女かもしれないと、頭痛でも起こしそうな心境だった。
その心持ちをひとまず横に置き、SNSにログインして梨花のページを開いた。
友達一覧から愛唯ちゃんを探り当てるのは容易かった。
文面をしばし頭の中で練る。