熱砂の国から永遠の愛を ~OL、砂漠の国のプリンスに熱愛される~

「どういうことって、
彼が小さいながらも、
ひとつの国の第一皇子で、
今の国王が亡くなれば、
彼が国王になるっていうのは知ってるのよね?」

私は、慌てていう。
「えっと、ビジャール王国っていうのは、
日本の岡山県ぐらいの面積しかなくて、
人口も岡山県より、
少し多いくらいなんだって言ってたわ。

国王と言っても、
昔のような権限はないから、
県の知事さんと同じさって」

千紗が口を開けてポカンとしてる。

「千紗ったら、笑わないでよ。
だって、ファイサルが、
本当にそう言って説明したんだもの」

千紗が、声を出して笑い出したから、
思わず言ってしまった。

「何言ってるの?
そんなわけないでしょう?
少なくとも、
その国を象徴する人なんでしょう?
国王だなんて。
ファイサルと結婚すれば、
向こうに住んで向こうの人に
なるんでしょう?」

「そっか、そうなのかねえ」

「美夜って、
本当に何も考えてないんだね」

私だって、何も考えてない訳じゃない。

「一応、無理だって伝えたよ。
第一そういう柄じゃないし、
王族の一員になるなんて、
そういう星のもとにも生まれてない」

「美夜は、本当に普通だものね」

「うん」素直に認める。
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