熱砂の国から永遠の愛を ~OL、砂漠の国のプリンスに熱愛される~
私は、質問を変える。
この方が、一歩的に
不満を述べるよりも賢いやり方だ。
「大丈夫。必要な指示は全部出したよ。
それに、私は、ダラダラ仕事をするのが
好きじゃない。
後は、秘書がちゃんとやてくれる」
にこにこ笑って彼は答える。
「秘書は優秀だ。
何をどうしたらいいのかちゃんと心得ている」
「そ、そうですか。」
「ねえ、ファイサル、先に言っとくけど。
何か特別なことがあるんじゃないかとか、
変な期待しないでね。私は普通のOLだし、
オシャレな場所に住んでるわけじゃないわよ」
「美夜がそばにいてくれれば、どこでもいい」
歩きながら、ぐいっと私を引き寄せる。
「本当に、びっくりするほど狭いのよ」
日本の住宅事情を分かってるのかな。
「私たちにとって、その方が好都合だよ」
すぐにマンションまでついてしまった。
仕方なく彼を部屋に案内する。
「狭いけど入って」
鍵を開けて、ドアを開けた。
先にファイサルを部屋の中に通した。
「ファイサル、靴は脱いで……」
「知ってるよ。そのくらい」