熱砂の国から永遠の愛を ~OL、砂漠の国のプリンスに熱愛される~


「あなたのお母様が?」

「うん。
父は公務でその学校に視察に行って、
学校よりもその、
日本から来た若い女性に夢中になった」

「どんな方だったの?」

「とても立派な人だったよ。

ごめん……
どうしても、母のことを考えると、
冷静ではいられない」

ファイサルは思い出したのか、
遠くを見つめて目を潤ませた。

「前にも言ったけど、素晴らしい教師で、
私が少しでも乱暴なものの言い方をすると、
こっぴどく叱るんだ。

王子だろうと、
何だろうと悪いことは悪いって
一歩も譲らなかった。

言うことを聞かないと、
きついお灸をすえられた。

公平な人で誰にでも
同じように接していたよ。

だから、ビジャールの人は、
みんな自分の母親のように慕っていた。

会いたいな……
今のビジャールを見たら、喜んでくれるだろうか?」
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