熱砂の国から永遠の愛を ~OL、砂漠の国のプリンスに熱愛される~

ずっと、一人で頑張って来たのは、
何のため?

思い通りの仕事をして、
キャリアを積み上げて来たのだって、
簡単じゃなかった。

それを、
男一人に惑わされてていいのだろうか?

今までの苦労を、
水の泡にしてもいいのだろうか?

よくない。
絶対によくない。


でも、
彼って、とびっきりゴージャスだけれど。

彼に触れると、
そんなことどうでもよくなって、
北極だろうが南極だろうが、
どこにでも行けるような気がするけど。

きっと、そんなのは、まやかしなのだ。

ファイサルがいないと、
彼を通して見ていた、
キラキラした世界が消えてなくなる。

今まで目の前にあったものが、
まるで嘘のように思える。


昨日は、ファイサルの姿も
、声も何にも触れてない。

どこで何をしてるのか、見当もつかない。


だから、私は自分のペースで仕事をした。

家に帰る途中で買い物をして、
自宅で料理までしてしまった。

いつものように、
テレビでニュースを見ながら食事をした。

パスタを茹でて、
コンビニで買ったサラダとヨーグルトを、
一緒に食べたのだ。


なんと、充実した日々。

自分のしたいようにして、
自分の行きたいところに行く。

今までだってそうしてきたし、
これからもそうするつもりだ。

これが平穏というものだ。
誰かの都合で次々に予定が変えられるなんて、ごめんだ。

< 167 / 295 >

この作品をシェア

pagetop