熱砂の国から永遠の愛を ~OL、砂漠の国のプリンスに熱愛される~
ずっと、一人で頑張って来たのは、
何のため?
思い通りの仕事をして、
キャリアを積み上げて来たのだって、
簡単じゃなかった。
それを、
男一人に惑わされてていいのだろうか?
今までの苦労を、
水の泡にしてもいいのだろうか?
よくない。
絶対によくない。
でも、
彼って、とびっきりゴージャスだけれど。
彼に触れると、
そんなことどうでもよくなって、
北極だろうが南極だろうが、
どこにでも行けるような気がするけど。
きっと、そんなのは、まやかしなのだ。
ファイサルがいないと、
彼を通して見ていた、
キラキラした世界が消えてなくなる。
今まで目の前にあったものが、
まるで嘘のように思える。
昨日は、ファイサルの姿も
、声も何にも触れてない。
どこで何をしてるのか、見当もつかない。
だから、私は自分のペースで仕事をした。
家に帰る途中で買い物をして、
自宅で料理までしてしまった。
いつものように、
テレビでニュースを見ながら食事をした。
パスタを茹でて、
コンビニで買ったサラダとヨーグルトを、
一緒に食べたのだ。
なんと、充実した日々。
自分のしたいようにして、
自分の行きたいところに行く。
今までだってそうしてきたし、
これからもそうするつもりだ。
これが平穏というものだ。
誰かの都合で次々に予定が変えられるなんて、ごめんだ。