熱砂の国から永遠の愛を ~OL、砂漠の国のプリンスに熱愛される~

私は、これからの30年後の人生も、
予想した未来と外れていない、
どこにでもある、平凡な未来がいいと思ってきた。

王子様のような人と一緒になって、
夢見るような生活がしたい、なんて考えたこともない。

例えば、偶然何かのきっかけで、
出会ったちょっと感じがいいなって、
いう人となんとなく親しくなって、交際に発展して。

しばらくその人と付き合って。

少々ケンカもして。
でもやっぱり一緒がいいと考え直して。

仲直りする。

そんなことの繰り返しで、
この人でいいんじゃないかなっていう予感がして。

その後、じゃあ結婚しようかってプロポーズされる。

結婚したら、
自分家と言えるような場所があり
、気の合う夫と子供が2、3人。

出来れば仕事を続けられて、
たまには家族と旅行に行ったりする。

誰もが思い描く人生がいいと思っていた。



それが?
ファイサルと一緒にいたら?

彼が次に何を言い出すのか、
5分先のことだってわからない。

一年後は、どこで何してるのかなんて想像もつかない。


平凡に、畳の上で死にたいと思ったら、
相手を選ぶのも、慎重にしなければならない。

自分の考えを大きく変えるような
相手じゃなくて、自然に寄り添える相手。

そうそう。

共稼ぎでもいいから、
将来的には小さな家を買って、
子供二人ぐらい作って、たまには休日にでも旅行に行って。

私が望む幸福なんて、
そんなものだ。

自分が送る一生なんて、
そんなもんだろう。

それなのに。

ファイサルは、まるで予測がつかない。

彼は、強力な磁石みたいなものだ。

いきなり近づいてきて、
訳も分からないうちに引き付けられ、

狂わされ、気が付いたら、
まったく違う場所で、
思いもよらないことをしている。

彼についていくって、
そういうことだ。

私は、そんなことを
望んでいるのだろうか?

彼にくっついて行ったら、
まったく先なんか読めない。

それでいいのだろうか?
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