熱砂の国から永遠の愛を ~OL、砂漠の国のプリンスに熱愛される~
「やっぱり、話があるのね。
ゆっくりでいいから、話してみて」

「君は、私の申し出を断った」

「プロポーズのこと?」
彼は、ゆっくりと頷いた。

「もう一度申し込んでいいかな?
そうしたら、こんどこそ、君は受けてくれる?」

「ファイサル、ちょっと待って。
それは、前にも言った通り……」

何度申し込まれても、結果は同じだ。
「君は、相手が日本人ならいいんだろう?

君と一緒に日本に住み、
君が住み慣れた街で生活する。
それが条件なんだろう?」

「ええ、確かにそう言ったわ」
ファイサル?何を言い出すの。

「私は、日本人になる手続きをしようと思う」
「手続きって……」

「ビジャールは、二重国籍を認めていて、
私はまだ、日本の国籍を離脱していない。

だから、明日、大使館に行って
国籍選択届けを出だして日本人になる」

「ファイサル?なに言ってるの」

「本当はこっちに留学中に、
どうするか考えようと思ってた。

でも、途中で帰らなければならなくなって、
国籍を抜く手続きを取っていなかったんだ」

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