熱砂の国から永遠の愛を ~OL、砂漠の国のプリンスに熱愛される~
熱砂の国で永遠の愛を
鍛え抜かれて引き締まった体、
オリーブ色の滑らかな肌の色。
その大きな背中の右肩から
背骨に向かって、
傷が癒えた痕がある。
私と一緒に眠っていても、
彼は背中を見せてくれなかった。
触れようと思って近づいても、
捕えられ、
すぐに胸の中で抱きしめられてしまう。
熱いキスで忘れさせられて、
少しも隙を見せてはくれない。
けれど、ファイサルは
、いつもと違う。
私に無防備に背中を向けている。
どうしたんだろう。
思い切って触ってみようかな。
背中の傷まで指を伸ばしたけれども、
嫌がるだろうかと思って指を引っ込めた。
こんなに大きな傷。
どんなに痛い目にあわされたのだろう。
癒すのに一年かかったと言っていた。
どんなにつらい記憶と
結びついているのだろうと思うと、
涙が出る。
気が付いたら、
彼の大きな体に手を回して抱きしめていた。