熱砂の国から永遠の愛を ~OL、砂漠の国のプリンスに熱愛される~
「どこに触れられるのが好き?
それとも、キスの方がいい?」

誘いかけるように彼が
顔を近づけてくる。

ファイサルは、指で軽く唇に触れて、
キスすると見せかける。

そうしておいて、たっぷり焦らした後、
わざと唇を避けて頬や鼻の頭にキスを落とす。

「ファイサル……」

彼の唇が触れた先で、
電流が走るようにピクンと反応する。

「自分を解放してごらん?
もっと声に出して」

「ファイサル、
こんなことされたら何も考えられない……」

「じゃあ、もっと考えられなくしてあげる」
彼の端正な顔が近づいてくる。


もう、何度も見つめあっているのに、
どうしてこんなに
ドキドキさせられるのだろう。

欲望を隠そうとしない目で、
私を見つめる。

彼は唇を避けて、
ほんの触れるだけのキスを繰り返している。

「ファイサル、もうダメ。キスして」
「欲しかったら、自分からおいで」

彼の性的な魅力。
むせかえるような
色香に引き付けられるように首に巻き付く。

誰かに操られるように、
私は自分から唇を押し付けていた。

いったい、どうなっちゃったの?
自分からキスが欲しいって
ねだるなんて。

ファイサルは、
何度かキスを重ねると、

今度は、むさぼるように
キスを求めてきた。

私は、
口を塞がれて息もできなくなった。

後は、彼の思うまま。

逞しい体に押しつぶされそうになりながら、
必死にもがいて彼の背中にしがみついていた。


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