熱砂の国から永遠の愛を ~OL、砂漠の国のプリンスに熱愛される~
彼が戻って来てからは、
彼とのことだけ考えていた。
一時的に離れていても、
今どこにいるのか
スケジュールは把握している。
そうなると、
後は彼が戻ってくれる時間を、
ただ数えている。
そんなこと、普通のOLの時は許されなかった。
でも、今はファイサルが
私の仕事上のボスで、
彼が私にそういう時間を強制した。
『美夜は、私のもの。
誰のものでもない』
一度言い出したら止まらない。
結局、私はどこにも
仕事に行かせてもらえないままだった。
「本当に、私の部屋に住むの?
ファイサル?」
彼は、今度は長いキスばかり続けている。
「しばらくの間だけだ。
いろんな手続きが済んで、
新しい家を用意して、
住めるようになくてはいけないからな」
「本当に狭いところよ?いいの?」
「どうして謝るんだ」
「だって、本当なら王宮みたいな
大きくて広い建物で、
おつきの人までいて、
生活してたんでしょう?
それなのに……」
彼は、大きい声で笑った。
「大きな家に住むよりも、
自分で選んで好きな場所に住める方が
よっぽどいいと思うぞ」
「そんなもんでしょうか?」
「ん、その証拠に……」
彼は、腕を伸ばして来て
私を捕まえるとベッドに押し付けた。
「誰も見ていないところで、こんなふうにできる」
獰猛な猛獣みたいに私を捕まえた。