熱砂の国から永遠の愛を ~OL、砂漠の国のプリンスに熱愛される~
彼は、私の答えを聞こうとする前に、
一度キスを始める。
聞かなくても分かってるくせに。
私の目を見れば、
あなたしか見えないって気付いてる癖に。
こんな行為を、ファイサル意外の男性と
したいとは思えない。
私は、この人と一緒にいたいと
心の底から思ってるの?
こんなにも、人を傷つけたひとを?
強引で、何でも思い通りにしないと
気が済まない人を?
自分以外の男に近寄るな、
なんて傲慢な人を?
私は、ファイサルの唇にキスをする。
誘うように、
優しく包むように唇に触れる。
6年間、自分がどうだったのか
思い起こしてみる。
素敵な人が
現れなかったんじゃなかった。
ファイサルの印象が強烈すぎて、
他が霞んでしまってたのだ。
「抱かれたいって思ったのは、
あなただけだった。
6年前も、今も。だから……」
「だから何?」
「好きなの。抱いて」
「もう、美夜……
いきなり、こんな爆弾落としやがって」
彼は、力が抜けたように
ガクッと私の上に崩れた。
「どうしたの?具合でも悪いの?」
「美夜、ちょっとまずい。
こっちを見ないでくれ」
「どういうこと?どこか悪いの」
「最悪だ」
「最悪って何?
何かあったの?どうしたって……」
耳の後ろから、
赤みがさして顔全体に広がっていく。
「あなただけだなんて……
君が思っても見なかったこと、急に言うから」