熱砂の国から永遠の愛を ~OL、砂漠の国のプリンスに熱愛される~
私は、真っ赤になった
彼の耳タブにキスをする。

「うっ」ていう、
喉の奥から聞こえてくる
うめき声が聞こえてくる。

「耳にキスされるのも弱いのね?」

「美夜やめろ。言っただろう?
私は自分でコントロールできないのは好きじゃない」


「ねえ、ファイサル?
こうして女性の方から愛されるのも素敵じゃない?」

オリーブ色の肌にも、指を這わせていく。

もう、気が付いていた。

彼は、傷を見せたくないんじゃなくて、
背中に触れられるのが嫌なのだ。

背中にも指を這わせて、
背骨を下へとたどっていく。

困惑した表情。

「本気で怒るぞ……やめろ」

「あら、あなたの体は、
やめろって言ってないわよ」

もう一度、同じところを指でなぞる。

背中のくぼみに触れた時に、
彼の我慢の限界が来た。



「美夜、覚えていろ。
倍にして返してやるからな」

彼は私の体を引っ張り上げた。

もう遅かった。
どんなに身を引こうと思っても、
彼にとらえられ、
彼に沈められ、彼に溺れさせられる。

まだ大丈夫なんて思っていたのに。
まだ捕食者は、
ずっと向こうだと思っていたのに。
彼は、
一瞬で私を捕えてしまった。

そして、一度捕まえられると、
その獰猛な
爪から逃れることはできないのだ。
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