熱砂の国から永遠の愛を ~OL、砂漠の国のプリンスに熱愛される~
次の日から、ファイサルは
本当に私の部屋に住みついた。
彼は特に不満を漏らす様子もなく、
いつまで続くか分からない
生活を楽しんでいる。
この部屋から二人で仕事に行く。
狭い部屋だし、
ベッドもシングルベッドだった。
小さなベッドに、
大きな男が足をはみ出して寝ている。
私は、彼にベッドから追い出されないように、
彼にしがみつき、
半分乗り上げるようにして寝ている。
閉じられているのに、
うっとりするような目。
堀の深い顔に長いまつげ。
羨ましいぐらい
きれいなオリーブ色の肌。
どれも、寸分の狂いもなく
計算されて作られた完璧な形をしている。
一つくらい、
不格好なところが当てもいいのに。
びよーんと頬を引っ張ってみる。
ムカつくことに、
整った顔って引っ張って歪めてもきれい。
どこも完璧だ。
出来の悪いところなんてどこにもない。
しっかり筋肉のついた体、
怖い目にあって、
それからずっと鍛えてたんだろうな。
6年前と体型が違って見える。
安心して眠っている顔が、
こんな近くで見られるなんて、嘘みたい。
毎日こんな朝が続くんだろうか。