熱砂の国から永遠の愛を ~OL、砂漠の国のプリンスに熱愛される~


もう一つ聞いておきたいことがあった。

不思議だと思ったことがあった。


「そう言えば、どうして私が
池山さんといた場所が分かったの?」

「気付かなかった?SPを一人、
ずっと君の跡をつけさせてたんだけど」


「何で重要人物でもない
私の跡をつけさせたの?」

そうだったの?
全然気が付かなかった。


「池山が君に近づいていくと思ったからさ」

「近づいたからって、どうだっていうのよ」

彼は、全然わかってないっていう顔で
私を見つめる。


「美夜は優しいけど、本当に甘いんだよ。

私にも同情したくらいだからね。
彼は、私のことを恨んでるだろう。
だから、君に
強引な手を使ってくるかもしれないと思った」

「池山さんが恨んでる?まさか」

「人は、簡単に恨んでるなんて感情を
表に出したりしないよ、美夜」

「池山さんは忘れてるって」


「いいや。彼は、そうは言わなかっただろう?
ずっと、君には近づけなかったからな」

「どういうこと?」

「私が丸菱に働きかけて、
中東で彼を釘づけにしておいたからね。
それに、君の友達も協力してくれた」

「友達って、千紗のこと?」

「そうだ。千紗がいろんなことを教えてくれた」
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