熱砂の国から永遠の愛を ~OL、砂漠の国のプリンスに熱愛される~
「池山さんを中東に置いたまま
、千紗と連絡を取っていたってこと?」
「まあ、千紗の目的は私じゃないよ。
彼女は、ムスタファに用があったみたいだけどな」
「どうして池山さんを、
そんな遠くに行かせる必要があるのよ」
「君がずっと好きだった相手だから」
「そんなことで池山さんを?」
「仕事的には、大きなプロジェクト
成功させたから、彼だって
ずっと不利だったわけじゃない」
「そうだけど」
いや。池山さんは、
私がそばにいることよりも、
仕事で大きなプロジェクトに
関わった方が喜びそうだ。
「まだ、どこかに気持ちが残っているのか?」
私は首を振った。
よくわからないけど。
いつの間にか池山さんへの気持ちの違いに
気が付いていた。
「どうでもいいっていう訳じゃないの。
彼に対する思いは薄れていたんじゃなかったの。
全然違うっていうことが分かったの。
池山さんには、憧れてたんだと思う。
近づけたらいいなっていうだけで、
本当の恋じゃなかったんだと思う」