熱砂の国から永遠の愛を ~OL、砂漠の国のプリンスに熱愛される~
本日最初の物件。



白っぽい外観で、高層マンションではない。

高さは、3階建くらいのだけれど、
敷地は広くてゆったりしている。

境界線に気が植わっていてそれが目隠しになっている。

「結局、ここでいいのか?」
私は頷いた。

彼は、私の気に入った家に、
住めばいいと言っていた。

「うん。入居前にクリーニングを済ませて、
後は、住みながら使いにくいところを直して行けばいいわ」


ファイサルが学生の頃、
使っていたマンションが
空いていると聞いたので、
部屋の中を見てみたいと彼に伝えておいた。

しばらくして
不動産屋さんから連絡があって、
中が見られる状態になったので、
見て来られてはどうか?ということになった。


間取りを見る限り、
2LDKでリビングもキッチンもゆったりしている。

マンションの立地も、
通勤も今住んでいる部屋より近い。

私には、これで十分だった。


「いいのか?」

「ええ、いろいろ思い出もあるし」

「まあ、そうだな」


古いと言っても、
6年前には最新式の分譲マンションだった。

ファイサルは、
ここにムスタファと住んでいた。

その彼らも、
急にいなくなってしまって、
ファイサルは業者に頼んで、

貸に出していたのが、
しばらく前に空き家になっていたらしい。

外観だって、本当にきれいなままだし。

新婚でこんなマンションに住めるなら、恵まれてる方だ。
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