熱砂の国から永遠の愛を ~OL、砂漠の国のプリンスに熱愛される~
「ねえ、ファイサルその美夜先輩って
言うのは止めてよ。私あなたより年下なのに」
彼は、日本に留学しに来た時は、
アメリカの大学を卒業していた。
だから、私より3つか4つ年上だ。
「わかりました。じゃあ、美夜って呼びますね」
彼は、美夜っていうところだけゆっくりと言った。
食事の後でお腹がいっぱいだった。
アルコールも手伝って彼の言葉が、
彼の甘い声とともにじわっとしみ込んでくる。
「み……や」下の上で言葉を転がすように、
焦らして名前を呼ぶ。
「ええっ?」
ベッドで呼ばれるときのように、
わざと声の調子を変える。
「そんな言い方するのは、止めてよ」
ファイサルは、わざと性的な意味合いを込める。
どうしてそんな風にするのか分からないけど。
「そう呼べと言ったのは、あなたの方ですよ」
彼の指が私の手をとらえる。
手の甲を人差し指でなぞると、
すっと持ち上げた。
ぞわっと背筋に電流が走ったみたいに、
ピクンと全身が反応する。
またキスをされると思って、
とっさに手を引っ込めた。
もう、無理だ。
狭い空間で、二人っきりなんかでいられない。