熱砂の国から永遠の愛を ~OL、砂漠の国のプリンスに熱愛される~
「私のこと、
そんなふうに考えていてくれたの?」

「ん、そうだよ。何度も言ってるじゃないか。
早くこっちへ来いよ。

6年も美夜に会えなかったんだ。
ずっと我慢してたぶん、じっくり見させて」

指でブラウスをひっかけて、
中を見ようとする。

「ファイサルやめてったら。
二十歳だった頃の体に勝てるわけないわ」

「美夜、それは違う」
彼は不機嫌になって、私を抱きしめた。

「今すぐ脱いで。着てるもの全部」
彼は、真剣だ。

「どうしたの?」怒ったのかな。

「君が全然わかってないからだ」

「ファイサル?怒ったの」
「そうだよ。怒ってる」

グレーの薄い生地のスーツと、
シンプルなブラウス。

彼の秘書だと言いながらも、
一日彼の後をついていって、
彼の命令に応じるだけ。

一緒にいられるのは、
嬉しいけど。


不満があるのは、
私の方だって彼は気が付いているのかもしれない。
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