熱砂の国から永遠の愛を ~OL、砂漠の国のプリンスに熱愛される~
皇居のお濠をソメイヨシノの並木が続いている。
仕事帰りのサラリーマンやOL、
家族連れも多く、たくさんの人でにぎわっていた。
思った通り、淡いピンクに染まった桜が
お堀の池に浮かび上がっていた。
ロマンチックな景色に、
ただ見とれてしまう。
人の流れに沿って、
背の高い彼と連れ立って歩く。
彼が、あのままずっと日本にいたら、
一度は一緒に歩きたい場所だった。
過去に戻りたいとか、
今さらどうにかなりたいわけじゃなかったけれど、
見せたかった景色が見せられてよかった。
ずっと、そのままになってたことが、心残りだったから。
「美夜」
彼は、私を自然に引き寄せる。
「素晴らしい景色だね」
「そうでしょう?ずっと見せたかったの」