熱砂の国から永遠の愛を ~OL、砂漠の国のプリンスに熱愛される~
慌ただしく旅館を出て、
レンタカーに3人乗り込んだ。

私たちは、
黙ったまま庄内空港に向かった。


ムスタファは、
プライベートジェットをチャーターして空港から飛び立つつもりだ。

旅館から空港はすぐ近く、
車で約10分ほど。
あっけないほど近かった。

ムスタファが
手続きに行ってしまうと、ファイサルが私を捕まえた。

両腕をしっかり握って彼が言う。

「美夜、考えてくれた?
時間がないんだ。

早く決断してくれ。

君も一緒に来るんだ!
いいね?

一緒に飛行機に乗ろう。
後のことは私が何とかする。

ビジャールは、
日本とずいぶん違う国だけれど、
君が困らないように、なんでもするから。

美夜、お願いだ。考えて欲しい。
私を一人にしないで欲しい」

ファイサルが祈るようにつぶやく。

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