熱砂の国から永遠の愛を ~OL、砂漠の国のプリンスに熱愛される~

コーヒーを渡してくれた池山さんの顔を見て思う。


私は、どうして過去の失敗から、いろんなことを学んでこなかったのだろう。


6年前、私は今と同じように、ファイサルが目の前から消えてしまって途方に暮れていた。

そうして私は、また、同じことを池山さんにしてもらっている。

「バカみたい」全然進歩していない。


「いいから、何も言うなって」



空が、だんだんオレンジ色に染まっていく。

そのうちに、太陽の残光で、まばゆいばかりに輝くと、何事もなかったように深い闇へと変わっていく。

私は、目を閉じていた。


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