熱砂の国から永遠の愛を ~OL、砂漠の国のプリンスに熱愛される~
大学の校内を歩いていたら、
ムスタファにばったり出くわした。
挨拶だけして、そのまま、すれ違おうと思った。
『待てよ』
私は、ムスタファに腕をつかまれ、彼が運転する車に乗せられた。
車に乗るとファイサルが待っていた。
ムスタファは、一緒に留学した純粋な
ファイサルの友人なんかではなかった。
明らかに主従関係がある。
ムスタファは、ファイサルを守るボディーガードのようだった。
決して彼には逆らわない。
『ファイサル、あなたが呼んだのね?
どうしてこんなことするの?』
『悪いとは思ってる。でも、時間がないんだ』
連れて行かれたのは、彼の部屋だった。
学生とは思えない、立派な部屋で、ムスタファと二人で住むにしても贅沢だと思った。