熱砂の国から永遠の愛を ~OL、砂漠の国のプリンスに熱愛される~
「その通りだよ」
つやつやした滑らかな肌。大きくて広い肩。
黒い大きな瞳には、欲望の光がともっている。
見ているだけで引き付けられそう。
だから、近寄らないで。
「私たち、離れ離れじゃないわ。
離れても、相手を求めあってたわけじゃないでしょう?」
広いベッドの上を後退る。
「離れていた。私の国と日本と。
何千キロの距離があった。そして求めあってるだろう?美夜」
酔ってるし、後ろ向きに進むなんて慣れていないから、すぐに捕まった。
「いやいやいやいや、ちょっと待ってってば、すでに脱いでるし」
カフスボタンを外すのが、どうしてそんなに色っぽいの?
口をゆがめて、美夜って名前を呼ぶのに、
どうしてそんなに引き付けられるの?
凄くセクシーだった背中も、どうなったのか知りたいけど。
「美夜も脱ぐ?」
そ、そんな可愛く言ったって、ダメだから。
「服、しわになるよ」
甘い声。一度聞いたら忘れない。
「ちょっと待って、ダメ。触らないで。
ファイサル。話し合いましょう。お互いの意見に、隔たりがあるもの」
「だから、今からそれを埋める」
「いえ。だから、違うの。
溝なんて最初から存在しない。埋める必要がないの」
彼の大きな目が輝く。
「それは、本当か?美夜。
私たちの間には、ずっと溝なんてなかった。
邪魔するものは、何もない。
早くおいで。もう、待ちきれない」