熱砂の国から永遠の愛を ~OL、砂漠の国のプリンスに熱愛される~
部屋が明るくなっていた。
朝が来ていた。
彼は枕に顔を埋めて、下を向いてねむっていた。
上掛けをそっと下げたら、大きな背中が見えた。
指で背中にそっと触れてみる。
なにか、ボコッとした感覚があった。
んん?
6年前は、きれいな傷のない肌だったはず。
下の方はよく見えないけど、
右肩にけがしたのか皮膚が盛り上がっった跡がある。
傷口が完治したあとのような。
「大丈夫か?」彼が体を起こした。
大きな背中は、目の前から消えていて、
ファイサルが腕に私を抱いている。
彼は、私の唇をキスで塞いでいた。
「んん……」
質問してるくせに、
彼は、私の顔にキスをして塞いだままだ。
これでは、何も言えない。
「眠いのか?」
ファイサルは、
顔から首筋に唇を当ててキスを落としていく。
「ファイサル、ダメ。起きなきゃ……」
くすぐったさと、体が思い出してしまった疼きに、
抵抗するように体を離す。
「ファイサル?もう止めて」
『無理だよ。昨日、大人しくして我慢した分、歯止めが利かない』
「んん……」
彼の答えを聞くかわりに、激しいキスを返した。