熱砂の国から永遠の愛を ~OL、砂漠の国のプリンスに熱愛される~
「プールには行かなくていいわね?」

「ブティックでお洋服を選ばれた後は、
残されるお時間は、あまりないかと思います」

家に帰って、二週間分の掃除をしたかったんだけど。

帰ってる時間ないの?
行けってことは、行った方がいいってことよね。

そんなことより、
たまってる洗濯を優先したら、怒られるかな。

お店の人もすでに予約を押さえて、
待たされてるかもしれないか。そう思い直した。

私は、洗濯をしたい欲求を押さえつけた。


気軽な気持ちで、エステに行って驚いた。

高級感あふれる真っ白な内装のお店で、
ピッカピカに磨き上げられた女性に、
恭しくかしずかれた。

「お受けいただく前に、
現在のお肌やお身体の状態を確認する必要がございます。

アンケートのご記入をお願いいたします。
これをもとに、
今日のメニューをご提案させていただきますので」
とこれ以上にないというほど丁寧に説明された。

なんてやっていたら、思った以上に時間がかかった。

それから、美容院に行く。

年配の美容師さんから、
「カットだけじゃどうにもならないからと、
パーマをかけなきゃね」
とダメだしされ

髪を丁寧に巻き上げて、ヨーロッパの大女優さんのような
優雅なウェーブが出来上がった。
そこで、すでに時刻は夕方。

着るものを、さっさと選ばないと間に合わない時間だ。

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