熱砂の国から永遠の愛を ~OL、砂漠の国のプリンスに熱愛される~
その夜、私と千紗はファイサルが
用意してくれた部屋で過ごした。
目が覚めて次の朝を迎えても、
夢のような時間が続いていた。
ベッドから起き上がって、
私と千紗はホテルのレストランで朝食を食べた。
部屋に戻って、お礼を言おうと、
警備の人たちにファイサルのことを尋ねた。
ファイサルは、すでに出かけた後で、
ホテルにはいなかった。
ホテルを出るときに、
千紗がもう一度、聞いてきた。
「昨日、大丈夫だったの?」
「ん、何ともないよ」
「その割りには、随分、
ガッカリしてるわね?」
「ガッカリっていうか、
どう受け止めていいのか分からない」
一晩過ぎたら、
昨日のファイサルの話が、
荒唐無稽な作り物の話のような
気がしてきた。
その話を、面と向かって
千紗に相談するのにためらいがあった。
夜に、確かにあったはずの夜露が、
朝になると何もかも消えてしまって、
まるで最初から、
何もなかったような気持ちになった。
「でも、これだけは言える。
千紗、あなたは
本当に信頼がおける人だって」
こうして、
信頼できる人間を見つけるって、
そんなに難しいことなのかな。
私は、しばらく彼のことを考えてた。
用意してくれた部屋で過ごした。
目が覚めて次の朝を迎えても、
夢のような時間が続いていた。
ベッドから起き上がって、
私と千紗はホテルのレストランで朝食を食べた。
部屋に戻って、お礼を言おうと、
警備の人たちにファイサルのことを尋ねた。
ファイサルは、すでに出かけた後で、
ホテルにはいなかった。
ホテルを出るときに、
千紗がもう一度、聞いてきた。
「昨日、大丈夫だったの?」
「ん、何ともないよ」
「その割りには、随分、
ガッカリしてるわね?」
「ガッカリっていうか、
どう受け止めていいのか分からない」
一晩過ぎたら、
昨日のファイサルの話が、
荒唐無稽な作り物の話のような
気がしてきた。
その話を、面と向かって
千紗に相談するのにためらいがあった。
夜に、確かにあったはずの夜露が、
朝になると何もかも消えてしまって、
まるで最初から、
何もなかったような気持ちになった。
「でも、これだけは言える。
千紗、あなたは
本当に信頼がおける人だって」
こうして、
信頼できる人間を見つけるって、
そんなに難しいことなのかな。
私は、しばらく彼のことを考えてた。