レンタル彼氏–恋策–
ーーううん。本当はもう、答えは出てる。
凜翔とのデートで思い出してしまったんだ。昭の横で幸せを感じていたあの瞬間を。『恋愛ってこうだよね』ってことをーー。
優は、私の復讐心を満たすためにいるわけじゃない。実際、私が優と付き合っても、昭は平気そうだった。それはそうだよね。昭にはすでに好きな人がいるんだから……。
私は、ひとりみじめな思いをしたくなかった。昭だけ幸せになるのが許せなかった。でも、それを優を縛る理由にしちゃいけなかった。
今後、私なんかを好きになる人なんて現れるのかな?誰かを好きになっても、昭の時みたいに選ばれずに終わるかもしれない。一生ひとりかもしれない。考えるとこわい想像ばかりしてしまうけど、優とは、もうーー。
心晴とバイバイし、自室で一人考えていると、優から電話がかかってきた。気持ちを見透かすようなタイミングに、ビクッと体が震える。
『明日ってバイトだよね?』
「うん、夕方までファミレスだよ」
『その後って、何か予定とかある?』
「ううん、何もないよ」
『じゃあ、バイト終わる頃迎えに行くよ』
優とは、いつもこんな感じで会う約束をする。こうやって誘ってくるのは優ばかりで、私からは誘ったことなかった。
無意識のうちに背筋が伸びる。今、言わないと!
「あのさ、優…!話があるんだけど」
『うん…?聞くよ』