レンタル彼氏–恋策–

 残り数分の休憩時間が、いやに長く感じる。

 少しの沈黙の後、昭は苦々しい表情で訊いてきた。

「……優とは、もうしたの?エッチ」

「はい!?」

 声が裏返ってしまう。

「そっ、そんなの、昭に関係ないじゃんっ」

「そうだけど、大学で優の変なウワサ聞いたから気になって」

「え…?」

 こわい。昭が言うウワサは私にとって良くない情報なんだと、何となく分かった。

「アイツモテるだろ?ひなたとヤレないからって、言い寄ってくる1年とかと遊んでるらしいよ」

「そんな…!優はそんな人じゃないよ……。親友だった昭が一番分かってるはずだよ!?それに、私達しょっちゅう会ってるし、私に不満があったとしても優には浮気する時間がないよ」

「相変わらず分かってねえな、ひなたは。男なんて数分あればヌケる生き物だし。それに、親友だったから分かるってこともあるんだよ」

「……っ!」

 悔しいけど、何も言い返せなかった。キスはおろか、優とはまだそういう関係になってない。手をつないだり抱きしめ合う程度だ。たしかに、それだけじゃ男の人は満足しないのかもしれない。
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