レンタル彼氏–恋策–

「全然俺のイメージじゃないって思ってる?」

「ひ、人の気持ち勝手に読まないでっ!」

「思ってるんだ」

「うう……」

 凜翔は小悪魔っぽく笑う。優しい顔して、実は意地悪な性格なの!?

 凜翔の思考が分からない。薄く笑うその瞳に色気がにじみ、背中がぞくっとした。ただ見つめられただけなのに、体が熱くなる。これは、レンタル彼氏の魔術だ!私を常連客にするための撒き餌だ!そうに違いない!

「あ、あのさっ!凜翔…!」

 これ以上ドキドキしてたらマズイ。まんまと凜翔の魅力にハマったら最後、レンタル彼氏利用料の支払いに首が回らなくなる未来確定。今の私にはレンタル料金を払う経済力はないし、ここは早々に話を変えよう!

「凜翔って、何歳なの?」

「18だよ」

 サラッと言ってくれる。

「今年の春に高校出たよ」

「詐欺だ……」

「ひなたひどーい!それどういう意味ー?」

「だって、話してるとタメの子より大人な感じするもん。見た目は若いけどさ……」

 凜翔はわざといじけた顔をしているけど、それすら大人な内面ゆえに演技している風に思える。私はすっかりタジタジだった。優しいのか意地悪なのか、大人っぽいのか子供っぽいのか、はっきりしてほしいっ!
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