レンタル彼氏–恋策–

「でも、凜翔君、言ってたんだよね?車に乗せる女の子は心晴が初めてだって」

「言ってたけどウソかもよ?そんなの、本当はどうかこっちには分かんないし」

 昭みたく、息を吸うようにウソをつける人は、きっと世の中にたくさんいる。

「凜翔の言葉も、してくれたことも、全部嬉しかったのに、どれもツクリモノなんじゃないかって疑いたくなったりもして……」

「だけど、ひなたは信じたいんだよね?凜翔君のこと」

「うん……」

「だったら、信じるしかないよ」

「そんな簡単に……」

「難しいけど、結局、皆そうだと思うよ。相手のこと全部見える人なんていない。だったら、自分が見た相手を信じ抜くしかないんだよ」

 その通りだ。

 凜翔だけじゃない。私だって、凜翔に本当の自分を全部見せてるわけじゃない。それでも、彼といる時間が楽しかったのは真実。

「それに、あたし思うんだけどさ。凜翔君って、ひなたのこと好きだと思うんだよね。少なくとも、女の子として意識してる!車に乗せるのがいい証拠」

「そんなことないよ。だって、レンタル彼氏はお客さん相手に恋愛したら罰金払わなきゃいけないし……」

 昨日見たホームページのことを、私は持ち出した。
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