レンタル彼氏–恋策–

「そんなリスク冒すようなこと、凜翔は絶対しない…!」

「ひなたの言う通りかもしれない。凜翔君は、ただでさえ色んなリスク背負ってそういう仕事してると思う。だから、良くも悪くも慎重になってるのかもしれないね」

 お客さんとの接し方や、自分のプライベート。凜翔は全てに気を張っているかもしれないと、心晴は言った。

「その上で、ひなたがどう思うかだよね。凜翔君がレンタル彼氏やってる理由によっては、もう関わらない方がいいかもしれないし」

 それは、最近私も気になってる。

「でも、関わらない方がいいと思っても考えちゃうんだよね?今のひなたを見てれば、答えはもう出てるような気がするけどなぁ」

「う……」

「急ぐことないよ。優君もいるし、ひなたの気持ちの向くままに決めたらさ」

「とはいえ、また会える保証はどこにもないんだよね……」

「だよねー……。同じ大学なら会いそうなのに、今まで全然顔合わさなかったんだもんね?……そうだ!」

 心晴は弾かれたように自分のカバンの中に手を突っ込み、ガサガサと何かを取り出した。

「ごめん!凜翔君と初対面の前に渡すつもりで印刷したのに、すっかり忘れてた!」

「これ……!」

 ヨレヨレになった四つ折りのA4用紙を広げると、凜翔の顔写真付きプロフィールが載っていた。
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